航空力学 2019 3 17
私は子供の頃、プラモデル作りが好きで、
飛行機や船のプラモデルをよく作っていました。
ある時、おもちゃ屋にラジコンのセスナ機があることに気づきました。
しかし、ラジコンは、とても高くて、買うことができませんでした。
そこで、飛行機を作ることにしたのです。
最初は、簡単な飛行機を作りました。
部品を組み立てると飛行機になるものが売られていたのです。
木製の角材の中心部に主翼をつけて、
角材の後ろには水平と垂直の尾翼をつけました。
主翼は、骨組みに和紙を張るような簡単なものでした。
動力は、強くて太いゴムでしたが、プロペラを力強く回してくれました。
飛行場は、どうしたのかというと、
私の実家は、田んぼの中の一軒家のようなものでしたから、
飛行機を飛ばすには、十分な空間があったのです。
何機か製造しましたが、
最後は、ゼロ戦を作りました。
これは、本格的なもので、
軽量のバルサ材を骨組みにして組み立てていくもので、
主翼も骨組みを組み立てていくので、
完成するまでに何日もかかりました。
ただし、本物のゼロ戦は、骨組みに鉄板が貼ってあるのでしょうが、
これは、和紙のような紙を骨組みに貼っていくものでした。
さて、前置きが長くなりましたが、
飛行機というものは、自動車に比べて、安全で安定しています。
機体には、「4つの力」が働きます。
「重力」という力。
機体を持ち上げる「揚力」という力(翼が生み出しています)。
機体を前方に押し出すエンジンの推進力。
機体の前方に壁のよう立ちはだかる「空気抵抗」という力。
このような「4つの力」のバランスが取れている時は、
飛行機は、非常に安定しています。
しかしながら、このような安定を意図的に崩すことがあります。
それが、戦闘機によるドッグファイト(空戦)です。
たとえば、いきなり機首上げで敵機をかく乱させる方法があるかもしれません。
しかし、機首上げをすると、機体は失速します。
だから、今度は、機首下げして速度を獲得して、バランスを回復します。
もちろん、このような曲芸は、高空だからこそ可能となるのですが、
バランスが崩れている時間を短くしつつも、
敵機をかく乱させることが、パイロットの腕の見せ所となるでしょう。
ただし、F-22ラプターは失速しにくいと聞いたことがあります。
とてつもなく強力な推進力と推力偏向ノズルによって、
普通の飛行機にはない特殊な機動が可能になったと聞いたことがあります。
ところで、飛行機のように高速で移動するとなると、
空気抵抗が大きな問題となります。
飛行機の速度が速くなればなるほど、
空気は分厚い壁となって立ちはだかるのです。
だからこそ、飛行機の形は、流線型でもあり、鋭角的にもなります。
しかし、これでは、乗客の居住性が犠牲になります。
どうやって、空気抵抗をなくすか。
ここからは空想の世界になってしまいますが、
飛行機の先頭に「真空」を作り出せば、空気抵抗はゼロになります。
それでも巨大な真空を作り出すことはできないでしょうから、
飛行機の形状は、鉛筆の形になるでしょう。
ただし、空気という壁がなくなるので、燃料は節約できます。
空気とは、窒素が約80%、酸素が20%で構成され、
1L当たり約1gとされ、意外にも重いのです。
何しろ、上空数百メートルどころか数千メートルも、
空気が積み重なっていますので、非常に重いのです。
どうりで肩が凝ると思った。
自分の上の上空を真空にしてしまえば、肩こりはなくなるかもしれません。